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前回とは?/ ディック

[ 394] イノベーションを引き起こすマジックミドル圏域の生み出し方 | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/blog/sasaki/200803/200803181100.html

『「みんなの知識」をビジネスにする』という書籍が、間もなく翔泳社から発売される。リンクをクリックしていただければわかるが、Amazon.co.jpではすでに予約可能になっている。兼元謙任オウケイウェイブ社長と私の共著で、集合知ビジネスのキーマンたちに連続インタビューしたものだ。集合知ビジネスの決定的な解決策にはまだ道のりは遠いが、しかしその課題に向けての示唆的な言葉がちりばめられている本である。ぜひ手にとっていただければ。
この本の内容についても、この連載では言及していく予定だ。だが今回は取りあえず、前回の続き。ユーザーイノベーションを引き起こすためには、情報がどの場所にあるべきなのか?というテーマについて勧めていくことにしよう。
前回、Web3.0の世界では情報がユーザーの元へと再集結していくという話を書いた。そして情報の粘着性仮説に基づけば、Web3.0の世界ではイノベーションはユーザーのいる場所で起きるということになる。
とはいえ、ひとりのユーザーという存在はあくまでもロングテールでしかない。たったひとりのユーザーしかいない場所で、たったひとりのユーザーのニーズのためにイノベーションは発生しない。ユーザーの数は、イノベーションを引き起こすクリティカルマス(臨界点)にまで達している必要があるからだ。ロングテールがある程度集約され、ロングテールの集合体が一定の最大公約数的なコミュニティを形成し、つまりはマジックミドル的な圏域が生み出されることによって、それがイノベーションを生み出す原動力になる。
ではこのクリティカルマスはいったいどの程度の人数なのか? 10人ならOKなのか? それとも100人ぐらいは必要なのか? おそらくそうした推測をここで行うのは、意味がない試みだろう。そのイノベーションの内容や方向性によって、クリティカルマスが必要とする人数も変わってくるはずだからだ。
重要なのはクリティカルマスの数値ではない。そのクリティカルマスが、どのような仕組みによって形成されるのかということだ。誰かが誰かを呼んできて、人的なネットワークで形成されるのか? それともアーキテクチャによって自動生成されるのか? 前回、ニフティで「アバウトミー」を運営している佐藤寛次郎さんはこう話している。「リアルをつなげるのは、企業とコンシューマーをつなぐことのできるニフティのような会社かもしれない。もしニフティがそういう役割を担えれば、ネットワーク化ができると思うんです」。企業がこのネットワーク形成の部分のパイプラインの役割を担う可能性を、彼は示唆している。
ひとつのケースとして、ブログ広告のアジャイルメディア・ネットワーク株式会社(AMN)を引き合いに出してみよう。同社のビジネスは広告であってイノベーションではないが、しかしマジックミドル圏域でどのようにしてコミュニティを生成していくべきかという点においては、非常に参考になる。
さてAMNはブロガーたちが中心になって作った企業で、著名ブロガーをネットワークし、彼らのブログに広告を配信するビジネスを展開している。アルファブロガーアワードの仕掛け人でもある同社取締役、徳力基彦さんはブログ広告をカンバセーション・マーケティングという言葉で捉えている。
「マス・マーケティングとソーシャル・マーケティングはコンセプトがまったく違う。マス・マーケティングの場合はとにかく力業で、お金をたくさん投じて広告の露出を増やせば認知度も上がる。しかしソーシャルの世界では、短期的にお金をたくさん投じたからといって、それで認知度が高まるわけではない。マスのようなやり方ではなく、根本的にマーケティングの考え方を作り直さなければならない。ソーシャルでは、顧客と企業がリレーション(つながり)を保持し、そこで会話し、顧客にファンになってもらい、そしてそのファンをじわじわと増やしていくという手法を採るんです」
その会話を軸としたマーケティングが、すなわちカンバセーション・マーケティングというわけだ。マス・マーケティングの場合は膨大な金額の広告予算を投じて、テレビや雑誌、新聞などで集中豪雨的に商品を紹介し、一気に知名度を上げるという方法だ。これに対してカンバセーション・マーケティングはイノベーターやアーリーアダプター層に最初に入り込み、その部分で徐々に認知度を高めていって、そこからキャズム越えを狙う。
この典型的な例としては、無印良品の化粧水が有名だ。化粧品の口コミサイト「アットコスメ」を媒介役として徐々に広がり、気がつけばヒット商品となった。「さっぱりタイプ」と「しっとりタイプ」が発売されているこの580円の商品は、発売当初はさほど話題にはならなかった。ところが1年ぐらいの"潜伏期間"ののち、突如としてクチコミが爆発し始める。
「値段も安いし、そんなに期待してなかったけど、想像以上によかったです」「とってもシンプルですが、しっかり潤うのに変な刺激もなくお気に入りです。安いし、たっぷり使えます。刺激も特にありませんでした♪♪」「ほどよく潤うし、ティーンの肌には充分じゃないかなあと思います」
おそらく背景には、環境保護の盛り上がりや、無添加を求める消費者の好みなどがある。それらが化粧品という市場に流れ込んできたタイミングもあり、アルコール無添加で無香料・無着色・無鉱物油、しかも低価格で、無印良品というブランドの信頼感もあるこの化粧水の盛り上がりへとつながっていったのだったろう。
しかしこの無印良品化粧水では、クチコミのコミュニティが可視化された状態で組織されていたわけではない。アットコスメではクチコミが500万件以上も蓄積され、この無印良品化粧水だけでも2000件以上のクチコミが書き込まれているが、しかしこれらは友人同士のつながりではない。
アットコスメでは、ユーザーとユーザーの可視化されたつながりではなく、ユーザー同士が「自分の肌の特質」を媒介にして間接的につながるという構成になっている。つまりクチコミで評価されるのは、「自分の友達のA子ちゃんがこの商品を評価しているから」ではなく、「自分と同じ年齢、自分と同じ肌質の人が、この商品を推薦しているかどうか」ということなのだ。化粧品というのはビッグビジネスではあるが、しかし大量生産大量販売の商品ではない。女性ひとりひとりで年齢や肌質は異なっているため、こうしたクチコミマーケティングが有効に作用しやすい。そしてこの化粧品という分野におけるマジックミドル圏域は、友人同士のつながりとしてではなく、肌質を媒介にした可視化されないコミュニティとして成り立っている。
なぜなら、同じ趣味志向の人たちをうまく集約するためには、リアルの人間関係は単なる障害物でしかないからだ。リアルで仲の良い友人だからといって、同じ趣味志向であるとは限らない。親しい友人がまったく自分と好みの異なる音楽や小説を愛好しているというようなケースは、どこにでもある。だから同じ趣味志向の人たちを集約させようとすれば、リアルの友人関係は排除し、あくまでもその「趣味志向」の中身によって判断しなければならない。どこの誰かはわからないけれども、しかしその「どこの誰か」はあなたと同じ趣味を持っていて、ともにマジックミドル圏域を形成する「仲間」となりうる。
しかしこうした可視化されないコミュニティにおいては、そのコミュニティの全体像が見えているのは、コミュニティを運営している企業の側だけだ。これはつまりAmazonの協調フィルタリングに基づくレコメンデーションと同じようなものであって、ユーザーを主体としたイノベーションの発生源にはならない。
そうなると、ここでひとつの課題が立ち上がってくる。つまり「つながりを可視化し、ユーザーみずからがコミュニティの全体像を見えるようにする」ということと、「同じ趣味志向の人たちがひとつの目的に向かって集約していく」というなかなか両立しがたい二つの方向性を、統合しなければならないということだ。

 

[ 395] 「リベラル」なヨーロッパって? | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/blog/fujii/200804/200804140800.html

前回ご紹介したドイツの辻さんからいただいたメールに「豆乳が健康にいいから社会の役に立っている」っていうくだりがありました。「ハハハ、いかにもありそう!」と共感してくれた方もいたよう。実際、会社のCSR報告書のページの結構な割合が「豆乳が健康にいいからCSR」系ですよね。「省エネにいい」とか「生活を豊かにする」とか何種類かパターンありますけど。製品カタログを読んでいるような気分を味あわせてくれます。一時「ロハス」が流行りましたね。「豆乳は健康にいい=ロハス=CSR」みたいな。もっとも、ワタシが会社勤めしていてCSR担当だったら、やっぱりこの手の話をしちゃうと思います。組織人としてはよくわかります。ただ、少し馴染めない人もいるんじゃないかな。美しすぎる言葉で明るくお仕舞いにすることに。あなたがもしそうなら、その健全な懐疑心を大切にしてくださいね。
では、小難しい話題に戻りましょう。今回のお題には「リベラル」とありますが、この「リベラル」という言葉が持つ語感は微妙です。リベラル派の弁護士なんて言うと、人権弁護士さんといった感じです。リベラルな経済政策というと弱きに優しい政策といった感じです。もし読者がそのような感じを持たれたとすると、アメリカの影響かもしれません。
アメリカでは「保守」と「リベラル」が、それぞれ共和党、民主党の政策を指し示す言葉として使われることがあります。例えば中絶問題について単純化して言えば、「保守的」な共和党は反対で、「リベラル」な民主党は相対的に寛容。これを経済政策にもそのまま当てはめるとこうなります。保守的」な共和党は市場至上主義的で、「リベラル」な民主党は政府の介入により積極的。
もちろん色々な使われ方をするので一概には言えないのですが、今申し上げたようなアメリカ的「リベラル」とヨーロッパの言う「リベラル」は「ねじれ」の位置関係にあります。そもそも考えてみればリベラルって「自由」ってことですよね。リベラリズムは自由主義。「社会規範」よりも個人の選択の自由に重きを置きます。だからたとえば中絶のような問題についても個人の選択の自由を重んじる。この点においてアメリカとヨーロッパの「リベラル」は同じ。経済政策についていえば、ヨーロッパのリベラルはあくまで字句どおり選択の「自由」の重視、すなわち市場主義になります。こっちはアメリカの「リベラル」と正反対ですね。
経済政策に限っていえば、アメリカでは市場重視が「保守」でその反対が「リベラル」。ヨーロッパでは市場重視が「リベラル」で、その反対は「ソシアル」すなわち「社会的」です。「リベラル」が個人の選択の自由を重んじ、「ソシアル」は平等とか環境とかの一定の社会規範により大きな価値を見出します。
イギリスのブレア氏が「第3の道」を掲げて登場したとき、ずいぶん話題になりました。「リベラル」でも「ソシアル」でもない、真ん中を行こうか、という発想でした。ヨーロッパでは時にリベラルが主流思想になり、時にソシアルが政策の基調となります。ヨーロッパ全体が2つの概念の間を行き来している。同時にヨーロッパの中には国によって「リベラル」な思想が強く根を張っている国と「ソシアル」な考え方をする傾向の強い国の別もあります。前者はたとえば、イギリス、オランダ。後者の例はフランス、ドイツでしょうか。
そして現在のヨーロッパの思考の軸は「リベラル」に傾いています。この転換がCSRにも影響を及ぼしているわけです。リベラルな考えかたは企業の利潤追求に制約を課さないこと基本とするので、CSRもそのようなものとして静かに再構築されてきたと言えるかと思います。
「CSRって言うけど、会社にとっては儲けることが第一。儲けにプラスになるならCSRもいいんじゃない。」とお考えになっているあなた、あなたは大変「リベラル」な思想の持ち主でいらっしゃいます。

 

[ 396] japan.internet.com コラム/売れる・集客できるホームページの秘訣
[引用サイト]  http://japan.internet.com/column/wmnews/20080411/6.html

ホームページのコンサルティングを手がけるほか、儲かるホームページのノウハウを紹介するセミナーも開催。本コラムでは、「アイディア満載の売れる・集客できるホームページ作りの秘訣」を具体的にご紹介します。
何かを成し遂げようとするとき、「モチベーションが続くかどうか」がとても大切になる。どれだけ立派な目標を立ててもそれを達成できない理由の大半は、モチベーションが維持できないからではないかと思うのだ。
そこで、前回までは売上を上げるコツを掲載してきたが、今回からモチベーションの維持について触れていこう。
11年前、私はオーストラリア大陸を自転車で横断したことがある。その自転車横断旅行記を私の Blog で掲載したところ多くの方から、
実は私、オーストラリア大陸を一周しようと計画していたのだが、横断した時点で断念したのだ。それでも、この旅で使ったモチベーションの維持方法は、その後のビジネスで大いに役立った。帰国後、ビジネスの経験の無かった私が、ホームページ立ち上げ半年で「ホームページの月商目標5,000万円」が達成できたのも、モチベーション維持方法を身につけていたからだろう。
まず、自分の目標を周囲に言いふらすことである。とにかく語って語るのだ。するとどうだろう。語った相手やその友人経由で、かなり有意義な情報がやってくるのだ。もし語っても周りから何の反応もないとしたら、それはその目標に自分自身がワクワクしていないからである。
惚れ込む秘訣は、その目標を達成した後、自分はどれだけ素晴らしい感情に包まれているのか想像してみることだ。周囲から「妄想族」と言われるくらい、手に入れたい感情を感じまくっておくといい。
私も自転車旅に出る前、「自転車で広大なオーストラリア大陸を走りぬけた自分は、今よりはるかに魅力的になって、いつでも自信に満ち溢れた気持ちになっているだろう…」と妄想した。
10億円売れるホームページを作ろうと決意した時は、「売れるホームページがあったら営業のストレスが無くなって、ずっと楽だろうなぁ。会社に潤沢なお金ができれば、みんなの給料も上がって喜ばれるだろうなぁ…」と徹底的に妄想族になりきった。
そして、どれだけその目標を愛してやまないかを周囲に語るのである。惚れに惚れてやまない相手がいる人は、さらにラッキーだ。自分の目標や夢を、その惚れている人に語ってほしい。私は自転車旅の夢を、当時惚れていた女性に語った。そうするとどうだろう。彼女の手前、もう後に引けない。(笑)
これは私が青春ド真ん中、24歳という年齢だったから有効な手段だったかもしれないが、とにかく惚れちゃった相手に夢や目標を語れば、「やっぱりやめる」なんてカッコ悪くて言えなくなってしまうのである。
意中の異性でなくても、親しい友人・知人に、夢や目標を語ってほしい。中には否定的なことを言う人もいるだろう。けれど、否定的な発言をされたからといって、相手に嫌われたとか攻撃されたなどと受取らないでほしい。その人はあなたに良くなってほしいと願うから、厳しいことを言うのだ。好きの反対は嫌いではない。好きの反対は無関心なのである。厳しいことを言うのは、自分を愛してくれているがゆえの発言なのだと、真摯に受け止めてほしい。
そう思えるようになってくると、傷つくことを恐れずに、目標を語ることができるようになってくる。ラブラブパワー全開で語ると、応援という名のラブラブ光線を返してくれる人達が出てくるのである。周囲の人からの応援ほど、自分がくじけそうになった時に心の支えとなってくれるものはない。
オーストラリア大陸を自転車で旅していた時、私はたくさんの手紙を書いた。今のようにインターネットが普及する前だったので手紙のやりとりだったのだが、次に到着する町の郵便局留めで家族や友人達から手紙が届くと本当に嬉しかった。彼らからの応援のメッセージを読んだあと、次の町にも届いているであろう手紙を目指してペダルを踏んだものだ。
モチベーションを維持できた最大の秘訣は、親しい人達からの応援があったからだと思う。だから、応援を得るためにどう語ったら応援されるのかを、しっかり考えることも大切だ。
■10億円売るホームページは、訪れるお客さんの質が違う■10億円売るホームページのコツ「寄付をすると豊かになる理由」■10億円売るホームページのコツ「稼ぎたいなら寄付をするといいよ」■10億円稼ぐホームページを作るには、「豊かさの本質」をマスターしよう■10億円売れるホームページは、どこよりも楽しんでいる■10億円売り続けるホームページはブレない■自社の製品に惚れると、10億円売れるホームページができる■眠れる財産を掘り起こすと、10億円売れるホームページが作れる■10億円売れるホームページは、ライバルを作らない■10億円売れるホームページだけが知っている、巨大マーケットの発見方法
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[ 397] レジャー超大国、中国(10) 〜日本への旅行は「クレーム、ほぼゼロ」:NBonline(日経ビジネス オンライン)
[引用サイト]  http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080131/146023/

上海の大手旅行会社・上海錦江旅游有限公司(中国旅行業界で2005年度4位)の楊東さんも、「2007年の弊社旅行取扱数の伸び率トップは日本」と胸を張る。「私は韓国や東南アジア、オーストラリア地区のアウトバウンド(海外旅行)の担当を兼ねていますが、今後いちばん将来性がある旅行先は日本だと思っています」。そう断言する。
上海が反日デモの舞台となったのは2005年だ。ついこの間のことなのに、それが行きたい国の最有力候補とは……。彼らは急に心変わりでもしたのか。正直、首を傾げざるをえないものがある。10数年前のように、金を稼ぐのが目的で来日したがっているのではない。日本の旅行を楽しみたいといっているのだ。これはどういうこと?
今回はそんな疑問を現地の旅行業関係者にぶつけながら、上海のレジャーシーンの主役たる海外旅行者の実像について迫ってみる。
まず、楊東さんの話の続きを聞こう。彼のオフィスは上海市中心部、ホテルオークラが運営する上海花園賓館の裏手にある。オフィスは活気にあふれていた。国・地域別に分かれたいくつもの部屋からスタッフの話す多言語が飛び交い、電話のベルが途切れることなく鳴り響いている。
―― 上海で訪日旅行が大人気。日本から来たぼくにはどうして急にそんなことになったのか、わからないのですが……。
「増えているのは事実です。その理由をお話する前に、上海の海外旅行市場を取り巻く背景について説明したいと思います。大きく3つの影響が考えられます。まず2007年はご存知のように、中国の株式市場が好調でした。要は、株で儲けた人が増えた。上海人の手元に自由に使えるお金が増えたのです。
それにともない、上海人のレジャースタイルが多様化しています。自家用車族が増えてきたのです。彼らは週末を使って上海近郊のドライブを楽しみます。そして、夏休みや3大連休などの長い休みには海外旅行へ、というのがトレンドになってきました。
もうひとつの影響として考えられるのが、2005年頃から海外の観光局が旅客誘致のためのイベントを上海で活発に行い始めたことです。こうしたイベントが頻繁に開かれることから、上海人も海外への夢や憧れをかきたてられるようになりました。いまインターネットや雑誌の特集では“旅行”が最大のテーマ。海外旅行はブームなんです」
では、なぜ数ある国のなかで日本が支持されたのか。日本のツアーに人気が集まったのはどうしてだろう。ヒット商品には必ず売れた理由があるはずだ。
「訪日ツアーには優れた特性として8つのポイントがあります。まず、商品価格が安定していること。他の地域・国のようにシーズンによって料金が大幅に変化しない。日本行きの航空料金は1年間通じてほぼ変わらないからです。お客さんにとっては、シーズンによって価格に変動がなく、いつでも行けるというポイントは心理的に大きいのです。
2つ目として、訪日ツアーの品質がいいこと。具体的には、ツアー中にお土産屋を連れまわすようなスケジュールが中国国内、ヨーロッパ、東南アジア、香港では当たり前に組まれているのに対し、日本ではないことです。上海の消費者の間に、日本に行くツアーは安心できるという定評が生まれつつあります。日本では騙されるようなことはない、と。
3つ目は、観光地としての魅力があること。日本は季節や訪ねる地方によって景色が変わるし、すばらしい自然の風景に出会えます。これは都会暮らしの上海人にとって得難い体験です(前回の富士山ツアーなど)。
4つ目は、日本の食事が口に合うこと。上海人は刺身でもなんでも日本食をおいしいと思います。納豆には納得できない人もいますが……。それに比べなぜか韓国の食事は好まれないようですね。上海には日本料理店がたくさんありますから、本場を味わってみたいと思うものです。
5つ目として、結果的に顧客満足率が高いこと。弊社が行う各国ツアー客へのアンケート調査では、日本の満足率が最も高くなっています。クレームがほぼゼロに近い。ホテルの部屋が狭いなど改善すべき点もありますが、サービスや清潔さの観点では問題なし。うちの営業担当も何の心配なくお客さんに日本をセールスできる」
―― そんなに日本が高く評価されていたとは知りませんでした。むしろ意外な感じすらします。以前は、中国人にとっての日本ツアーにはビザの取りにくさや多額の保証金などのハードルがあり、旅行意欲も低かったと聞いていたのですが。
「3年前はそういわれていましたが、明らかに状況が変わっています。いまの上海では、一般市民のほとんどが旅行会社を通せば普通に観光ビザを取れるようになりました。それに対し、ヨーロッパのビザは取りにくい。EUでは一カ国のビザが取れるとどこでも行けるせいか、審査が厳しい。国ごとに様々な制限があり、旅行会社が代行するビザ申請の手間が半端じゃなく大変なんです」
※たとえば、フランスとイタリアでは18歳以下の中国人には観光ビザが下りない。この段階で家族旅行はあきらめなければならない。保証金のかわりに、本人名義のクレジットカードを領事館に預けさせる国もあるという。今年1月中旬、遼寧省瀋陽の韓国総領事館に勤める中国人職員が、中国人の韓国へのビザ発給に不正関与、収賄容疑で逮捕された。こうしたことが起きるため、ビザの発給に各国が慎重になるのもわからないではない。
「ヨーロッパの領事館では、申請条件が急に変更となることもよくあるんです。これではお客さんに出発日を保障できない。その点、日本領事館は普通に申請して問題がなければ期限を守ってくれる。旅行会社としては、きちんと対応してくれる国にお客さんを誘導するのは当然です。クレームや賠償で困るのは旅行会社だからです。
また、お客さんの立場でいえば、ビザを申請してつき返されたりすれば、ご本人の面子にかかわります。中国人はパスポートにビザを拒否された記録が残ることをいやがります。そうした観点からも、訪日ツアーは上海人にとって参加しやすいといえる。これが6つ目のポイントです。
7つ目は、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)以降、日本観光のためのプロモーションが活発になったこと。マスメディアにも日本の魅力が発信され、観光地としての知名度が上昇したのです」
楊東さんが挙げた7つ目の点については、日本国際観光振興機構(JNTO)にも訊ねてみた。JNTO上海観光宣伝事務所の平田真幸さんの評価は、「2007年に入り、明らかに訪日旅行をめぐる状況が飛躍的に好転した」「日本に対する親近感を視聴者に覚えさせるような報道や番組が増えた」というものだった。
そうした情報環境の変化の背景には、2007年4月の温家宝首相の訪日がある。中央政府の意向にいつも敏感な反応をみせる中国のマスコミは、日本のイメージを一気に好転させようとしたわけだ。
生産拠点から巨大市場として注目されてきた中国。そこで何が、どうして、支持され、売れていくのか。2010年の中国市場を先読みするための、最先端市場現地レポート。
編集者。1963年生まれ。立教大学社会学部卒。出版社勤務などを経て2004年からフリーに。専門は観光関連業界のビジネス動向、最近は訪日中国人旅行市場に関心を持つ。また東京池袋界隈の在日中国人事情にも詳しい。主な著書に、『最新データで読む産業と会社研究シリーズ トラベル・航空』『ホテル』『図解 中国の地域性がわかる本』(産学社)『行きたい街を歩く 上海・蘇州・杭州』(西東社)など
生産拠点から巨大市場として注目されてきた中国。そこで何が、どうして、支持され、売れていくのか。2010年の中国市場を先読みするための、最先端市場現地レポート。
編集者。1963年生まれ。立教大学社会学部卒。出版社勤務などを経て2004年からフリーに。専門は観光関連業界のビジネス動向、最近は訪日中国人旅行市場に関心を持つ。また東京池袋界隈の在日中国人事情にも詳しい。主な著書に、『最新データで読む産業と会社研究シリーズ トラベル・航空』『ホテル』『図解 中国の地域性がわかる本』(産学社)『行きたい街を歩く 上海・蘇州・杭州』(西東社)など

 

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