いえるとは?/ マイワン
[ 184] 島本和彦はひとのこといえるのか問題。 - Something Orange
[引用サイト] http://d.hatena.ne.jp/kaien/20080204/p2
「再創造を突き詰めるとガイナックスになる。ガイナックスはせっかく大ヒットを生み出してるんだから全部自分で考えればいいのに、あーいらいらするなぁ、また人のせりふを使ってるのかおまえら! と。ガイナックスのようなジャンルはあっていいが、自分で作れるんだから、自分から考えろと」(島本さん)「作り手を“やる気”にさせる著作権とは――島本和彦氏など語る」 ま、その場かぎりのことと思ってこその放言のようだから、一々その成否をあげつらうつもりはない。いいたいことはわかる。 ただ、おもしろいと思うのは、ぼくから見ると島本さんもガイナックスもそう変わりはないように見えることである。 こういうふうにいうからには、島本さんは自分の作品は「全部自分で考え」ていると思っているのだろう。しかし、かれの作品の大半は熱血青春もののパロディである。 こういうことは島本さんにとって、「自分で考え」ていないことにはならないのだろうか。たぶん、ならないのだろう。 たしかに、過去の名作から雰囲気だけ借りてくる島本作品と、しばしば過去の名作の台詞や場面をそのままサンプリングして用いるガイナックスでは、同じパロディ、あるいはオマージュとはいっても次元が違う、ということはできる。 ただ、その境界線はいかにも曖昧である。島本作品だってひとのことはいえないと思うひとも多いだろう。 随分抽象的な話になってしまったのだけれど、なぜこういうことを考えたかというと、私は二次創作は模倣ではないと思っているためだ。ここまで読んできて、え?と思われるかもしれない。 ただ、全ての二次創作物が模倣ではない、というわけでもない。「過去」に頼ってオリジナルをなぞるだけでは、受け手にとって「今日」の創作者のエネルギーや創造性を感じることはできないだろう。もちろん、創作者は創造性もエネルギーも詰め込んだんだと思うかもしれない。そこには価値観の違いもあるだろうが、ただ、自分自身が創造性、エネルギーを詰め込んだ(費やした、ではない)を思っていても、それが伝わらなければ、受け手にとって表現として成り立たないのかもしれない。そういった意味では、二次創作は「挑戦」でもあるのだと思う。その挑戦に打ち勝ったと感じられるものであれば、例えオリジナルの著作物が存在する二次創作であっても、私はそれが立派な創作物であると感じるのだろう。「二次創作は模倣に過ぎないのか?:岡本太郎が突きつけた挑戦状」 この記事では、岡本太郎の発言を引用して、二次創作にも「模倣」にとどまらないものがある、と語っている。その境界を定めるのは「過去」にばかり頼らず「今日」の創造性をこめることだ、とも。 ぼくも賛成する。歴史といい、伝統という。しかし、ただ過去の遺産を営々と守りつづけているだけでは、時代からおいて行かれるばかりだろう。 本当に伝統を守るためには「過去」に「今日」の息吹をこめなければならない。そこには、十分にクリエイティヴなチャレンジがある。ぼくもそう思う。 ぼくは「全部自分で考え」ていないという意味では、ガイナックスも島本和彦もそう変わらないと思う。というか、純粋にオリジナルな作品を創造できるひとなんていない。 はるかな昔からクリエイターたちは皆、だれかの作品の影響を受けて新たな作品を生み出してきたのだ。ある意味では岡本太郎もガイナックスも島本和彦も、「全部自分で考え」てはいないはずである。 だからやはり島本さんはガイナックスのことをとやかくいうことは出来ないと思う。しかし、問題は「全部自分で考え」ているかどうかではないはずだ。 たとえ、その作品が過去の作品のパロディ、オマージュ、サンプリングに過ぎなくても、そこに「今日」の作品としての問題意識があるかどうか、その点こそが重要である。 その意味ではすべての作家が同じ条件で勝負しているといってもいい。島本和彦もガイナックスもそう変わりはない。しかし、かれらはそのことを恥入る必要はない。 かれらの作品には(たとえ『ヱヴァンゲリヲン』のように過去作品のリメイクに過ぎない作品でも)、十分に今日的な意義がある。その点こそが肝要だ。 表面的にオリジナルに見える駄作より、敬意ある模倣にもとづく傑作のほうがずっと良い、と思うのである。 その男は異性の顔を認識することができなかった。エロスとバイオレンスの饗宴、山奥の洋館を舞台に、妖しい儀式を巡り繰りひろげられる伝奇物語。(紹介記事) 「あの」田中ロミオシナリオによる幻想怪異譚。古い屋敷「真珠邸」のなかで、あなたを待ち受けているものは何なのか? 恐怖と不思議の物語の幕がひらく。(紹介記事) 「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」。美しい姫君と孤独な飛空士の身分違いの恋。各書評サイトで話題沸騰中の快作です。 海賊船に売られ、奴隷として数年を過ごしたあと帰ってきた男。故郷でかれを待ち受けていたものは国姫の家庭教師という仕事と陰謀の暗雲だった。荘重な本格ファンタジィ!(紹介記事) 文句なしに★★★★★の超絶名作短編集。天才連城三紀彦が紡ぎだす変幻トリックの数々が、あなたをどこまでも続く暗い迷宮へと誘いこむ。必読。(紹介記事) 自分を不感症だと信じる幼い少女を、催眠調教が変えていく。変態的エロティシズム満載で贈る、倒錯と官能のエロマンガ。調教ものがお好きな方にお奨め。(紹介記事) 小学校2年生の作文に泣かせられた。『セロひきのゴーシュ』を巡るひとりの女の子の「読書感想文」には、すれきった大人をも感動させる力が秘められている。(紹介記事) 王貞治はイチローに言った。「ありがとう、君のおかげだ」。ワールド・ベースボール・クラシックの裏側における、選手たちの死闘の物語。スポーツファン必携の名著。(紹介記事) 「こどものためのドラッグ大全」! 将来を担う子供たちのためにあえてあらゆる麻薬を解説した危険な一冊。その内容は詳細をきわめ、あなたを悪夢の世界へいざなう。(紹介記事) |
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