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買っとは?/ マイワン

[ 689] 買っとけ! DVD
[引用サイト]  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080527/buyd248.htm

同人誌やWebで作品が公開され、注目が集まり、商業誌で再リリース。その後はメディアミックス展開に繋がるという流れは昨今のアニメやゲームでは珍しくない。最近では「ひぐらしのなく頃に」が、アニメだけにとどまらず、実写映画化されたことも記憶に新しい。
'98年にWebで発表され、後に同人誌としてコミックマーケットで発売されたこの小説は、奈須氏がファンだという講談社ノベルスそっくりの装丁がなされていた。そして“嘘から出た真”とでも言うか、その後に講談社の目に止まり、本当に講談社ノベルスの作品として商業誌版がリリース。その後、テレビアニメ&ゲーム化となりそうなところ、いきなり7部作の劇場用アニメ化が決定。多くのファンを驚かせた。
原作小説の構成と同じ7部作の劇場版は、2007年12月に第一章が公開された。テアトル新宿/梅田、池袋テアトルダイヤなどでの単館上映だったが、テアトル新宿で4週間で約2万人を動員するなど、単館公開作品としては記録的な興行成績を残した。
ただこの作品、個人的には「月姫」や「Fate/stay night」と比べ、“作品の知名度に対し、実際に内容を知っている人が少ない作品”ではないかと考えている。小説版も人気はあるが、テレビアニメやゲーム化されていないので作品に触れている人は桁違いに少ないだろうし、公開された劇場版もテアトル新宿がメインという規模の小さいもの。「DVD化されたから、どんな作品か観てみよう」という人は多いだろう。
私個人は同人誌版を持っているので、劇場で観た時も「なつかしい」という感覚だったが、ここでは“小説を読んでいなくても楽しめるか?”を基準にDVDを紹介していきたい。
舞台はとある地方都市。事故により2年間も昏睡状態だった少女・両儀式(りょうぎ しき)が目覚めた。彼女は記憶の一部と引き替えに、万物の「死」を見ることができる能力“直死の魔眼”を得ていた。2年間で変わってしまった周囲の環境。彼女自身もまた、自らの記憶に実感が沸かず、それゆえ自分自身の“生”についても、実感が持てずにた。
そんな彼女を支えているのは、彼女が昏睡する前、高校時代のクラスメイト・黒桐幹也(こくとう みきや)。彼は、蒼崎橙子という謎の多い女性がオーナーを務める人形工房「伽藍の堂」でアシスタントをしており、式もそこに出入りするようになる。
そんな折り、学校も異なり、交友関係も無い少女達が、廃墟となった同じビルの屋上から連続して飛び降り自殺するという事件が発生。橙子はその背後にある関連性に気付き、式はその眼でビルの上に舞う少女達の幽霊(?)を捕らえる。それは幾重にも張り巡らされた罠への序章だった……。
と、公式Webサイトを横目にあらすじめいたものを書いてみたが、実際のところ、映画の第一章を観ただけで、このあらすじにあるだけの情報を得るのは不可能だ。というのも、原作小説はあえて時間軸が前後する形式で書かれており、“式という少女の生い立ち”や、“彼女はこの青年と仲が良くて”というような、キャラクター設定や人間関係が説明されないまま物語がスタートする。そして、劇場版ではその小説をそのままなぞって映像化しているので、これまた一切説明が無いのだ。
ぶっちゃけると“悪霊を(和服に革ジャン羽織った)美少女がやっつける”的な話なのだが、普通の映画であれば、最初に小さな事件が発生。それを解決しがてら、キャラの性格や人間関係を説明。小さな事件が大きな事件と黒幕へ繋がり、ラストは黒幕とのバトルに勝利して終わり……というような流れになりそうなものだ。
しかし、この映画(第一章)に限って言えば「小さな事件を解決して終わり」となる。しかも、登場人物の背景や関係性は、バラバラの時間軸描写で後の章に回されているので、第一章では描かれない。小説を読んでいないと、鑑賞中、かなり想像力を働かせないといけないのは確かだ。ただ、49分と短い第一章の物語自体はそれほど複雑ではないので“わけがわからない”事はない。「なるほど、だいたいこんな話なのか。それで!?」となったところでエンドロールという感じだろう。
逆に、小説を読んでいると「よくぞここまで」と言いたくなるほど原作に忠実であることに驚かされる。原作のある映像作品、特に映画では時間の制約で重要な部分がバッサリ切り落とされる事が多々あるが、この作品ではわずかなシーンの入れ替えや変更はあるものの、ほぼ小説に沿っている。小説の章構成と同じ“7部作”でアニメ化すると発表された時から予想できたことだが、製作を担当するアニメスタジオ・ufotableの気合いを感じさせてくれる。
小説版は1人称がベースだが、場面ごとに式であったり、幹也であったりと、思考が描写される主が変化。時間軸が前後することと合わさり、最初は戸惑う書き方だ。また、例えば“飛び降り”1つに関しても、“飛行と浮遊の違い”や、“ビルの屋上から世界を俯瞰する視点が、実感と知識の摩擦の引き金となる”など、小難しい理論で誌面が埋め尽くされる傾向にあり、悪く言うと人の話を聞かないオタクの話を聞かされているような“クドさ”がある。そうした思考描写はアニメではセリフとして消化されているが、適度に間引かれており、そういった意味ではアニメ版の方が万人受けしやすそうだ。
映像面では“流石劇場用アニメ”と言いたくなるほどクオリティが高い。日本橋や廃墟ビルなど、飽和した光と暗部の対比が鮮烈で、新海アニメを連想させる。だが、全編に漂う雰囲気は陰鬱としており、押井監督のイノセンスに近い。伝奇小説である原作小説の世界観を良く表していると思う。式が雨の中を歩くシーンで、所々飛散する雨粒の描写に見入ってしまう。アイスを食べたり、コーヒーを飲んだり、何気ない仕草も実に丁寧に描かれており、現実感に乏しい設定の登場人物達に命を与えることに成功している。
戦闘シーンの迫力はアニメの独壇場。短刀を武器とする式の戦いぶりはスピード感溢れ、青白い雨上がりの夜に、赤い革ジャン姿の彼女が飛翔する様は映像的に鮮烈だ。CGも巧みに取り入れ、立体的なアクションが楽しめる。第一章は49分と短めだが、映像的なインパクトの強さもあり、ボリューム感はある。映像的な注意点としては、死体や血などをかなり容赦なく描いている点で、以降の物語でもそうした描写は多いので、苦手な人は頭の隅に入れながら鑑賞した方がいいだろう。
ただ、伽藍の堂の引きのアングルでの人物描写や、巫条の廃墟ビル群の遠景では、DVDの解像度の低さから、人物の細かい動きがわかりにくかったり、ビルの輪郭が曖昧だったりするシーンが見られる。明暗の対比が激しい絵作り故、暗部も潰れがちだ。しかし、観賞中は輝度の高い部分に目が行くのでそれほど気にならない。将来Blu-ray版がリリースされたとしたら、暗部の情報量が増え、画面により奥行きが生まれそうだ。
音声はドルビーデジタルステレオと、ドルビーデジタル5.1chの2種類。ビットレートはステレオが224kbps、5.1chが448kbps。後半のアクションを除いては静かなシーンが多いが、街の喧騒や雨音などでサラウンドが活躍するのでボリュームは常時高めで構わないだろう。廃墟ビルでは少女達の声がリアスピーカーのいたるところから聞こえ、オカルト気分を盛り上げてくれる。
声の出演は坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、田中理恵など、人気・実力共に第一線の声優が参加。式を演じる坂本真綾は、桜蘭高校ホスト部の藤岡ハルヒとか、トップをねらえ2! のラルクなど、少女と少年が同居したような中世的な役柄も得意とする声優であり、一人称が“オレ”だったり、電話とベッドしかない綾波レイみたいな部屋に暮らす式を演じるにはうってつけだ。そんな式が時折、幹也に対してのみ見せる嫉妬や執着といった感情が良い。割合で言うと9:1くらいの“ツンが多めのツンデレ黄金比”で、昨今の容易にデレるアニメ界に活を入れるヒロインだ。今後の“陥落具合”にも期待が高まる。
限定版のメイン特典はサントラCDと劇場用パンフレットの縮刷版。特典映像が乏しい代わりに、パンフレットの内容は充実しており、原作者や監督、坂本真綾へのインタビューや、アクションシーンのメイキングなどが収録されている。できれば映像でも説明して欲しかったところだが、公開館状況的に“観たくても観られなかった”人が多かった作品なので、パンフレットが入手できるのは素直に嬉しいことだ。通常版(5,040円)との価格差は2,835円。音楽CDアルバムの値段と考えれば妥当で、収録時間が短い通常版も、劇場用アニメと考えれば良心的な価格設定と言えるだろう。
若干説明不足な部分もあるが、単体の作品として、原作小説を知らなくても楽しむことはできる。「月姫」などと同じ世界観で展開している物語ではあるが、豆知識レベルであり、「知らないと楽しめない」というレベルでは全くない。そういった意味で、今までTYPE-MOONの作品に触れた事が無い人でも問題ないだろう。原作の伝奇小説的な雰囲気が良く映像化されており、難解なセリフも多いので、何度も繰り返し観賞できるDVDは便利だ。余談だが、エンドロール後にも物語の続きと、次回予告もあるので注意したい。
続きが非常に気になる作品だが、映画シリーズでは次作までに年単位の時間が必要になるのが普通。しかし「空の境界」の場合は、四章までが続々と公開されており、DVDリリースも第二章が6月25日、第三章が7月23日と、3カ月連続。7部作という形態も異例だが、DVDリリーススケジュールも異例のスピード。劇場公開が単館のみという状況は変わっていないので、続きが気になる消費者としては連続リリースは歓迎したい試みだ。
とりあえず第1巻の通常版を買ってみて、気に入ったら次巻以降は限定版を……という買い方もアリだ。Blu-ray版も期待したいところだが、残念ながら現在のところアナウンスは無い。“7部作が完結してから満を持してリリース”となるのかもしれないが、ファンとしては順次でも良いので、一刻も早くリリースして欲しいところ。いずれにせよ、映像クオリティ&内容が両立する良作シリーズのスタートを喜びたい。

 

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